弥山〜釈迦ヶ岳縦走 (大峰奥駈道)
H15年10月25〜26日
参加 3名

25日 トンネル西口〜弥山〜八経ヶ岳〜舟のタワ〜楊子ヶ宿 (避難小屋泊)
川迫川渓谷は進むほどに秋の色を深くして、鮮やかな紅葉が朝陽に透けて輝き、目の覚める美しさ、とりわけ静止した池の水面に映る紅葉は見事なもので、カメラをザックの中にしまい込んでいて(タクシーのトランクの中)取り出せなかった事がとても悔やまれます。
下市口からタクシーを利用し行者還トンネル西口登山口から入ります。
主稜線までの小1時間はザックの重みが肩に痛く少々辛い上りでしたが、とにかくこれを上り切るとあとはナントカなるかなぁと甘く考えます。
奥駈道に出会います。紅葉は終わり殆ど葉を落とした明るい林は枯葉を踏んで歩きます。
秋の陽は穏やかで長い冬に入る前のぬくもりに、木々達はしばらく身をゆだねているようです。
陽だまりの匂い、乾いた秋の音、私は大好きです。
稜線上は展望もよく、台高山脈が長く伸びて、大台ヶ原のドライブウェイまではっきり見られます。近くは山上ヶ岳、稲村ヶ岳、特徴ある大日山、大普賢岳、頂仙岳、もちろん弥山、八経ヶ岳も青い空に一段と映えています。弁天の森、聖宝の宿跡を過ぎてジグザグの最後の急登をクリアーして弥山に到着。昼食後、今夜と明朝のため水を少し買います。(小屋にて1L100円 但し小屋が無人の時間帯もあるので100%当てには出来ませんが)
近畿最高峰、八経ヶ岳(役の行者が法華経八巻を埋納したと言われる)は遮るもののない大展望です。大普賢岳から大台ヶ原、南望は明星ヶ岳から仏生ヶ岳、釈迦ヶ岳と縦走路が続き、いよいよ私の未踏の奥駈道に足を踏み入れます。


枯れ木立、降り積もる落葉、崩壊の斜面、白い立枯れ、倒木をくぐったり、跨いだり、奥駈道は古代の香りにあふれ足音を除けば何の音もありません。
苔むす倒木は艶やかなビロードを敷き詰めたソファーにも見え、岩も木も苔に覆われ、緑濃いトウヒの林にシダが葉をいっぱいに広げ、名残の1本の紅葉が目に染みる午後です。
八経ヶ岳からは誰一人行き交う人もなく静寂そのまま、舟のタワを過ぎて低い笹を踏み分け七面山の凄まじい南壁が迫ってきます。この壁は大峰山最大の岩壁で直立500mとか、いつ見ても、何度見ても、どこから見てもすくみます。
古代のロマンに浸りながらも冷たくなった風に先を急ぎます。
夕闇迫る前に楊子ヶ宿につき下から持ち上げたビールで乾杯します! ウゥ〜ン、応えられない!!!
小屋には先客が一人、沢を上って来たと言うアマチュアカメラマンの方と食後は一緒に焼酎で語り合いました。
コースタイム
トンネル西登山口 9:00→奥駈道出合 9:50→聖宝の宿跡 10:42→弥山 11:45⇔12:45→八経ヶ岳 13:10→舟のタワ 14:58→楊子ヶ宿 15:40
26日 楊子ヶ宿〜仏生ヶ岳〜孔雀岳〜釈迦ヶ岳〜大日岳〜前鬼
蒼い朝です。東の空がピンクの帯に染まります。


仏生ヶ岳原生林は朝もやの中に枯木のオブジェがぼんやり浮かんでいっそう幻想の森です。
立枯れ、倒木、語らぬ巨木、静寂の原生林は幾千年の遠い日々の物語り。気の遠くなるような時の流れを語るのです。
何があっても何も無かったように動じず、変わらず、全てを無に流して白いもやのヴェールを落として眠りから覚めようとしています


仏生ヶ岳から孔雀岳にかけてはトウヒの林、立枯れ、倒木と最も奥駈道の色濃いところでしょうか。


他を知らないのでエラそうには言えません。
孔雀覗は東がスパッと切れ落ち大峰の山ほしいまま、小さな狭い山頂孔雀岳を踏んでもまだ釈迦ヶ岳は遠いです。
岩場、キレット、ヤセ尾根、大岩の下に小さな不動明王が祀られた椽の鼻を通り釈迦ヶ岳がだんだん近くなり、大きく見えて、でもだんだん高く見えるのです。
釈迦ヶ岳への最後の上り杖捨ての急登を1歩、1歩、また1歩。
不意に真っ青の空を背に慈悲深いお釈迦さまに出会い
「ワァ〜!着・い・たぁ〜」
四方何もさえぎるもののない釈迦ヶ岳山頂です。
越えてきた弥山、八経から仏生、孔雀と足跡が一望です。深い大峰奥駈はまだまだ南へと続きます。
ほんの一部分ですが秋晩い大峰の深部に触れることが出来て、その中に浸っていられた喜びや感謝や感激が胸の中で交錯します。
今日も縦走路では誰一人出会わなかったけれど釈迦岳には2人の先客と、次々に到着の方が皆同じ歓声です。
この青空!この展望!山上のお釈迦様!(高さ 3.6mとか) 言葉が見つかりません。


前鬼への下りは明るい笹原の斜面です。春先のようなポカポカの陽を受けて快適です。深仙の宿に下るとやや遅い紅葉も見られ大日岳の丸くかわいい姿が待っています。
大日岳をピストンします。孔雀岳、釈迦ヶ岳と真正面から対面出来、五百羅漢の絶景が一目瞭然です。
穏やかな太古の辻から奥駈を離れます。
何年か前にこの道を登ったのですが、沢がかなり崩壊して道にはハシゴ、階段が多く付けられています。それだけ訪れる人も増えているのでしょう。


二つ岩では岩をくぐって釈迦ヶ岳、孔雀岳を見上げ、全てに別れを告げて前鬼口へと下ります。
黄葉残る樹林、杉古木の下りは重すぎるほどの思い出いっぱいの胸にふさわしいエピローグ、静かに、急がず、ゆっくり幕を引きました。
コースタイム
楊子ヶ宿 6:05→孔雀岳 7:45→釈迦ヶ岳 8:53⇔9:20→深仙の宿 9:45→大日岳分岐 10:02(大日岳ピストン 25分)→太古の辻 10:39→二つ岩 11:17→前鬼宿坊 12:10→林道ゲート 12:45